システム化と個人対応 3
今回のお話も最終回です。
例によって私のもう1つの職業でもあるギターに絡めてお話していきたいと思います。
ギターも始めたばかりの頃は基礎練習をして基本的なテクニックを学びそれが出来てくると今度は様々な曲を練習することでテクニックを磨いていきます。
そしてある程度様々な曲を弾きこなせるようになると今度は楽曲をそのままコピーするのではなく「自分だったらどういうアプローチで弾くのか?」
という段階に入っていきます。
これは「アドリブ」とか「インプロバイズ」とか言われていますがアドリブは基礎的なボキャブラリーの蓄積がないとなかなか上手く出来ません。
またアンサンブルの中での他の楽器の音量や表情をよく聴き取り、それに合わせたフレーズを瞬時に構築していくことが求められます。
なのでアドリブを勉強する前の段階でしっかりと様々なフレーズを沢山練習しておかないとなかなか思うように弾くことが出来ません。
柔術もこれに近いものがありますね。
ベーシッククラスやレギュラークラスで学んだテクニックをどう自分のスタイルに組み入れていくのか。
ハーフガードでやったテクニックをダブルガードに応用させたりスパイダーガードからのテクニックをハーフガードに応用させたり。
「そこでこの技やったら逆にやられちゃうよ」
これはアドリブ失敗です。
これらのテクニックの組み合わせはベーシックなテクニックをしっかり理解していないと適切に組合わせることが出来ません。
逆にこのテクニックの組合わせ、技の連携等が出来るようになってきたということはベーシックなテクニックへの理解が相当深まってきたとも言えます。
この段階になるともう「このテクニックは今の自分には必要ないからとりあえず引き出しの奥にしまっておこう」みたいなことも多くなります(それでも今は使わなくとも3年後は使うかもしれないので引き出しのどこにしまったか位は覚えておいた方がいいと思います)
この辺に関してはなかなかシステム化することは難しくむしろマンツーマンでしっかりと個人対応していかなくてはいけない部分です。
コンペティションクラスではこの個人対応を更に一歩進めた形で行っています。
最初の1時間打ち込みの時間がありますが自由に打ち込みをしてもらいそこで自分がリアクションするなどしてその対応を学んでもらったりということもしています。
ある程度まで技術を身に付けた方には自由に技術を伸ばしてもらいつつその技術の組み合わせ方等についてさらっとアドバイスする程度がいいと思います。
大切なのは自分自身で考えることが出来るようにヒントを与えてあげることです。
このようにシステム化出来るところはしていきつつも個人対応をしっかりと心掛けていく、その両輪を上手く回していくことで多くの人が楽しめつつも強い選手が育つ道場になると信じてこれからも頑張っていきたいと思います。
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システム化と個人対応 2
こんなのは柔術ではない?