こんなのは柔術ではない?

2016年5月18日

もし誰からも絶対にテイクダウンを取る選手がいてそのまま絶対にトップキープが出来る。
パスガードはしないけどスイープもされない、そしてルーチも取られない(そこそこ攻めるふりは出来る)

これで毎回勝つ選手がいたとして皆さんは「これは柔術じゃない」と思うでしょうか?
それとも「それで勝てるんだったらそれも柔術だ」と思うでしょうか?
私の考えは後者です。

「こんなスタイルは柔術ではない」
よく聞く言葉ですが私はこの言葉が大嫌いです。
例え10分間立ち技の攻防に終始したとしてもそれは立派な柔術の1スタイルだと私は考えます。

例えを変えましょう。
フットロックが凄く得意でトップからの攻めの時はフットロックを極めて勝つか拘り過ぎて相手に上になられて2点献上しそのまま負けてしまう、そしてガードから攻めた場合はよくパスガードされて負けてしまう選手がいた場合どのような指導をするべきでしょうか?

それはその選手がどこをゴールとするかによって変わっていくでしょう。
生活の全てを柔術に捧げ世界のトップを目指すのであればあおのような偏ったスタイルはもう少し平坦に均していく必要があります。
しかしサラリーマンのお父さんが趣味で楽しく練習してその上で試合にも勝ちたいと思った場合私は極力個性は尊重したいです。
もし上記のようなスタイルの人が場合一応「極端なスタイルでありきちんとポジションを取っていった方が一般的に勝率は高い」ということは伝えます。

その上でどうしてもやりたいのでればフットロックを中心にどういう戦術を組み立てていけばいいかを教えます。
例えば上から足を抱えて下になってしまわない方法を教えます。
と同時にボトムからもしっかりフットロックに行けるように指導すると思います。
1レッグXやデラヒーバ等フットロックと相性がいいポジションはありますしそれらを学ぶことでガードワーク自体も上達すると思います。

最初に書いたテイクダウンの後固まって塩漬けにする人もフットロックばかり狙う人もいずれも極端なスタイルではありますが決して「これは柔術ではない」とは思いません。
しっかり柔術のルールの中で勝つことが出来るのであればそれも立派な柔術だと思います。
決して常に勝てるスタイルではないですがトップ選手を目指すのでなければそれもいいのではないでしょうか。
それを「こんなのは柔術ではないからもっと基本的なことをやれ」

みたいに言うのはナンセンスです。
強い道場にはそれぞれの分野のスペシャリストがいます。

テイクダウンのスペシャリスト、足関のスペシャリスト、パスガードのスペシャリスト、スイープのスペシャリスト・・
この偏ったスタイルの人のおかげでその道場の人は耐性が出来、試合でそのようなスタイルの人と対戦した時にも落ち着いて戦うことが出来ます。

なので自分としてはなるべく全員に王道の綺麗な柔術をしてもらうのではなく多少いびつだったとしてもそれぞれが自分のいいと思う技、スタイルを模索していって欲しいかなと思います。


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